ちょっと一服  その109  朋遠方より来る。その4            2025.5.29



 五十年振りにH君夫婦と再会した。

 H君は、昔は長髪で二枚目だったのだが・・・

 なんと!

 出家したのかと見紛(みまが)う程、見事な”つるっ禿(ぱげ)”になっていた。

 あははは


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 まあ、そう言う私も、すっかり髪は無くなりましたけどね。

 あははは


 何用があって、急に帰省したのかと問うと、

 なんと、私が突然電話したからだと。


 彼等が東京へ引っ越すまでは、同じ市内、僅か5km圏内に暮らしていたんですからね。

 なぜ、その間に連絡して来なかったのか、と、第一声(だいいっせい)

 そりゃ、そうですね。

 不思議に思う。


 もしかしたら、寿命が(せま)っているのか。

 いや!(さて)は、金子(きんす)の借用か?

 と、なると、(うち)の旦那は人が良いから、私が付いて行かなきゃあ、なんて奥さんが、ね(笑)


 みたいな、家族会議があったかも(笑)


 実のところ、この想像を私は事前にしていたんですよね。

 私に限らず、誰でも一瞬にして想像しますよね。

 それに加えて、会えば、(ここ)四十年の自分の歴史を話すことになる。

 自慢話が出来れば良いですが、そうじゃあない。

 かと言って、自慢話が出来たとしたら、相手にとっては嫌味でしょうし、ねっ(笑)


 だ、か、ら、今まで連絡しなかった。


 昨年亡くなった先輩に対しても、その懸念があったから、年賀状に再会を書きながらも、躊躇(ちゅうちょ)した。


 しかし、いざ、先輩の喪中葉書を手にして、奈落の底に墜ちた錯覚に見舞われた。

 そう!

 下らない懸念なんぞする必要は無い!

 お世話になった人、感謝すべき人、縁の深い人、幼馴染

 これらの人には、生きている間に、

 たとえ、一時間、否、三十分でも良いのだ!立ち話でも良いのだ!

 会っておくべきだ!


 と、坊主頭の私は、悟を開いたのであります。

 あははは


 【語彙説明】

〇二枚目(にまいめ)・・・今で言うところのイケメン。語源は歌舞伎用語に由来する。

 歌舞伎の劇場では、八枚の看板があり、それぞれ書かれる役者が決まっています。

 一枚目の看板は主役。二枚目の看板には色男役。ここから一般の男性に対しても、色男の意味で「二枚目」が使われるようになった。

 ちなみに、三枚目の看板は、お笑い担当で、一般的には、滑稽な人、引き立て役という意味で使われます。


【故事諺の説明】

 「朋有(ともあ)り、遠方(えんぽう)より()たる。(また)(たの)しからずや」


 〔口語訳〕 友人が遠方から尋ねてくる。なんと楽しいことではあるまいか。

 〔意味〕 遠いところから訪ねて来た親友と酒を酌み交わし、歓談するのは人生の大きな楽しみである。

 〔訓読〕 朋有り、遠方より来たる。亦楽しからずや。

 〔原文〕 有朋自遠方来。不亦楽乎。

 〔出典〕 『論語』「学而編」


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